家づくりで失敗しないための大事なお話 第4話②【全7話】

前回に引き続き、住宅ローンについて具体的に解説していきます。

(a)住宅ローンの種類は大きく分けて3つ

(b)元金均等返済と元利均等返済の違い

(c)リスクを回避する

(d)繰り上げ返済の考え

(e)返済期間の考え

※(a)住宅ローンの種類は大きく分けて3つ については、

前回お話させて頂いているので、1つ前の投稿をご覧ください。

⒝元金均等返済と元利均等返済の違い

元金均等返済と元利均等返済の違いについて簡単にご紹介したいと思います。これは、金利とは全く異なる、「返済方法の選択」によって生じる違いですので、覚えておいた方がいいかもしれません。

最近では、「元金(がんきん)均等返済」を選択される方が増えてきたというニュースを耳にしますが、現在の主流は「元利(がんり)均等返済」です。

・元金(がんきん)均等返済

元金均等返済とは、毎月一定の元金に残元金に対しての利息額を上乗せして支払うという返済方法です。そのため、元金が少なくなっていけば、利息も減っていくため、返済が進むにつれて毎月の返済額は少なくなっていくのが特徴です。また、返済当初から元金の返済率が多くなっているため、支払総額で見ても、元利均等払いより少なくなるという特徴が挙げられます。

元金均等返済のイメージ
メリット・毎月の返済額は返済が進むほど少なくなる・同じ返済期間であれば、元利均等返済より返済総額は少なくなるデメリット・元利均等返済に比べ、当初の返済額が多い・元利均等返済に比べ、融資可能額は減少する

・すべての金融機関で扱っているわけではない

では、どうして元利均等返済より世の中に広まっていないのかというと、当初の返済額が、元利均等返済よりも多くなってしまうという点があるからです。ですから、金融機関も、その当初の返済額で融資額を決定するため、元利均等払いよりも融資可能額が減ってしまうということもあり、なかなか利用されていないというのが現状です。

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・元利(がんり)均等返済

元利均等返済は、毎月の返済額を一定にするという返済方法で、現在、多くの利用者に活用されている返済方法です。全期間固定金利型ローンを選択されていれば、返済終了時まで返済額は変わらず、期間選択型ローンでも、その期間は返済額が一定となるため、よく活用されているようです。

ただし、当初の返済時は、返済額のほとんどが利息となっているため、元金はほとんど減らないというデメリットがあります。そのため、金利上昇時には元金が一向に減らず、利息だけがドンドン上乗せされてエンドレスになってしまうこともあるので、その点は注意が必要です。

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⒞リスクを回避する

⒜⒝でもお伝えしましたが、世の中には、金利や返済方法に種類があるため、それを選択する消費者がすべての責任を負わなければなりません。ですから、少なくとも、①と②の選択だけは間違わないように、事前に特徴を把握し、自分の生活スタイルに合ったものを選択するようにして欲しいと思います。

そして、返済期間中のリスクにも対応しておかなければなりません。一番のリスクは、世帯主の方が死亡、または高度な障害に遭ってしまった場合ですが、このケースの場合は、住宅ローンを借りる際、団体信用生命保険(団信)と呼ばれる、生命保険に加入することがほとんどですので安心かと思いますが、もし、加入義務が無いような住宅ローンを使用する場合には、それと同等の生命保険に加入しておくことをお勧めしたします。

そして、次に心配となるのが、世帯主様のリストラであったり、配偶者様の事故、ケガといったものがあります。そのような場合に備えて、ある程度の余力は常に持っておかなければなりません。これは、住宅ローンを借りるから必要というわけではなく、今現在でもそういったリスクへの対応は必要です。もし、これから住宅ローンを借りるということになれば、長期間のリスク管理が求められますので、注意して計画して欲しいと思います。

⒟繰り上げ返済の考え

「繰り上げ返済をしましょう!」と、どの住宅雑誌を見ても書いているようですが、私はあまりお勧めはいたしません。というのも、「繰り上げ返済をすることによって、その後の家計が圧迫されるようであれば、繰り上げ返済はするべきではない」と考えているからです。

もし、あなたが家計にかなりの余裕が出来て、数百万円の返済を一気に行ってもまだ余力が十分にあるという状況になっているのであれば繰り上げ返済をお勧めいたします。

ただし、そのようなケースは宝くじにでも当選しない限り難しいのが現状です。繰り上げ返済をするほとんどのケースが、毎日の家計を切り詰めて、絞り出した結果の賜物であり、「繰り上げ返済をするための生活」を送っているといっても過言ではありません。

私は、「家は家族が素敵な人生を送るための道具」であると考えます。ですから、住宅ローンの返済ばかりに気を取られ、家族団らんの素敵な時間を無駄にしてほしくないと思います。

ですから、繰り上げ返済をすることで得られる、ちょっとの余裕より、そのお金で家族のために使える「思い出」に使ってほしいと思います。

また、繰り上げ返済をお勧めしない理由の1つに、繰り上げ返済をした翌日に世帯主が死亡または重度の障害に会われたとしても、そのお金は戻ってこないということが挙げられます。団体信用生命保険では、世帯主(ローン債務者)が死亡または重度障害と認定された段階で、その後の住宅ローンを支払わずに済むようになっています。ただし、今まで払ってきた分はその限りではありません。

もし、返済期間があと20年以上残っているようであれば、繰り上げ返済をするのはもったいないと考えます。残り10年を切って、その段階で余剰資金があれば繰り上げ返済をするというのも良いかもしれませんが、教育資金など、どれくらいの費用がこれから掛かってくるか分からない状況での繰り上げ返済は、得策ではないでしょう。

⒠返済期間の考え

次に返済期間の考え方ですが、これも各ご家庭によって異なりますが、もしあなたが子育て真っ最中であるならば、もしくは、これからお子様を出産される予定(計画)があるのであれば、出来るだけ長い返済期間を選ぶことをお勧めいたします。

住宅雑誌などでは、20年位にするのがベストといったようなことを書いているものも存在するようですが、20年では月々の負担が非常に大きくなり、教育資金を捻出できるかどうか心配です。

また、返済期間を長くしておいて、余裕が出てきたら繰り上げ返済をして期間を短縮することも可能ですが、短い期間を選択したら、その後、見直しで期間を延ばすことはとても困難です。延長できないと断言はしませんが、金融機関と交渉を重ねる必要があります。そして、延長分の利息支払いや、保証会社などの費用も発生するため、心も財布も疲れ果ててしまいます。

しかも、そういった依頼を金融機関にするケースというのは、ほとんどが返済に行き詰る寸前のため、金融機関もそう簡単に了承してくれないと思っていいでしょう。

ですから、できるだけ長い期間の住宅ローン返済計画を組むことによって月々の支払いをなるべく抑えるようにすると日々の生活にゆとりが生まれるので、よほどの余裕がない限り、私は現時点での最長である35年をお勧めいたします。

この他にも、「お金」については、もっともっと知っておかなければならないことがたくさんあります。実際の資金計画であったり、住宅ローン以外に発生する費用や、頭金など、その種類は様々ですが、ここでは、特に大切な、住宅ローンの選択基準に的を絞ってお話させていただきました。

「きっと、もうこれ以上お金の話は読みたくない!」と思った方もいらっしゃるかもしれません(笑)

でも、実際には、お金のことをしっかりと押さえていれば、家づくりの半分は成功したと思えるほど、とても重要なポイントですので、これ以外のことも、時間がある限り勉強して欲しいと思います。なんといっても、30年以上も借りるローンですから、安易に決めてほしくないのです。もし、「読むより聞いて相談したほうが早いよ!」という方は、いつでもお声掛けくださいね。

このブログでは、ここでお金の話はひとまず終了させていただきます。

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