工務店ってなあに?
皆さんは、「工務店」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
町中にある〝〇〇建設〟とか〝〇〇工務店〟を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。どちらかというと、洗練された雰囲気というより、地元のおっちゃんがやっている会社というイメージの方が強いかもしれません。
工務店とは、たくさんの専門の業者さん(大工さん、塗装屋さん、板金屋さん、水道工事屋さんなど)を一括にマネジメントし、工事全体を管理することによって、総合的な工事を請け負う業者のことを言います。
そのため、現場をまとめあげるリーダーシップと職人に負けない力強さが必要なので、洗練さよりも泥臭さの方をイメージしてしまうのかもしれませんね。
日本では昔から木工職人である大工の親方(棟梁)が、設計から左官などの他の職人を仕切ることまで、住宅建築に関するすべてを取り仕切ってきました。
この大工の棟梁が発展した形が工務店であるといえます。
しかし、現在の工務店像は伝統的な形とずいぶん変わってきていて、タイプ別にしてみるとおおよそ以下のようになります。
(1)棟梁タイプ
昔からのタイプ。職人である棟梁が設計から工事まですべてを行う。
(2)デザイン(設計)重視タイプ
社内に建築士を置いたり、社外の設計事務所と連携したり、デザイン(設計)によって他社との差別化を図っている。
(3)施工専門タイプ
外部の建築家の設計による施工だけを行い、設計は請け負わない。
(4)フランチャイズタイプ
ハウスメーカーの下請けや、特定工法のフランチャイズ業務が中心。
(5)ハウスメーカータイプ
特定の建材・設備などを使った住宅を商品化・シリーズ化して販売。
(6)デベロッパータイプ
自社で土地を購入し、建売住宅や売建住宅を販売。
さらに、ほとんどの工務店は上記の複合形であり、まさに工務店の数だけ形態があると言っても過言ではありませんが、通常は「工務店で建てる」といえば、工務店に設計と施工の両方を依頼することを指しますので、少なくとも(3)以外のタイプが依頼の対象になります。
また、施工会社は、建設会社、サブコン、ゼネコンなどと呼ばれることもありますが、会社の規模が違うだけで本質的な違いはありません。しかし、組織力を要する大きな仕事はやはり大きな会社が得意な一方で、大きな会社は管理コストも高いため、個人住宅を建てるのは、主に50人くらいまでの中小工務店が中心となります。
この工務店。実に様々な工務店があります。日本でも有数の腕をもつ素晴らしい工務店もあれば、こんなところに家を任せては欠陥住宅必須のダメ工務店もあります。
工務店の規模も、個人でやっている会社からパワービルダーに迫る会社まで千差万別です。

キッチンからはリビングが見渡せて家族との会話が弾みます。
それほど、工務店と呼ばれる会社は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)なんですね。
そして、これだけの数があり規模も様々な工務店の世界の中に、すばらしい工務店が点在しているのです。
宝探しのような工務店探し。
そんな中で良い工務店、悪い工務店を見分けるのはかなり難しいと言えます。
しかし、良い工務店を見つける方法が分かっていれば、工務店は宝の山となります。
そして、そこで見つけた工務店は一生付き合っていける家の主治医のような頼もしい存在となってくれます。
次回、良い工務店を見極める方法についてお話させて頂きます!